蓄電所に使用前自己確認は必要?自主検査との違いや対象条件について解説

蓄電所の運転開始に使用前自己確認は必要なのか。また、「使用前自己確認」と「使用前自主検査」との違いがよくわからない、自分の蓄電所はどちらが必要なのか。

そんな疑問をお持ちの方は少なくありません。名前が似ているこの2つの制度は、根拠となる法令も対象となる設備も異なります。

この記事では、蓄電所に使用前自己確認は必要なのかを中心に、混同しやすいポイントや対象条件をわかりやすく解説します。

記事の目次

蓄電所に使用前自己確認は必要?

結論:蓄電所は使用前自己確認の対象外

蓄電所の運転開始にあたり、使用前自己確認の実施義務はありません。使用前自己確認の対象は電気事業法施行規則 別表第六・第七に列挙された発電設備に限られており、蓄電所はそこに含まれていないためです。

蓄電所に求められるのは、使用前自己確認ではなく使用前自主検査です。ただしこれは全ての蓄電所ではなく、出力1万kW以上 または 容量8万kWh以上の場合に限られます。この規模になると工事計画届出が必要となり、あわせて使用前自主検査と、その実施体制を登録安全管理審査機関が確認する使用前安全管理審査を受けることになります。

これ未満の蓄電所には、工事計画届出も運転開始前の法定検査の義務もありません。ただし蓄電所として設置する場合は、規模にかかわらず技術基準への適合維持・保安規程の届出・電気主任技術者の選任が必要です。

※使用前自己確認の対象設備と出力条件は、電気事業法施行規則 別表第六別表第七(e-Gov法令検索)に定められています。

「使用前自己確認」と「使用前自主検査」との違い

使用前自己確認と使用前自主検査は名称が似ていますが、根拠条文も対象設備も異なる別の制度です。両者の違いを以下の表で整理しました。

制度名使用前自己確認使用前自主検査
根拠条文電気事業法 第51条の2電気事業法 第51条
対象となる設備一定規模の
太陽電池・風力・燃料電池などの発電設備
一定規模以上の発電所・蓄電所など
(工事計画の届出をした設備)
蓄電所は対象か対象外出力1万kW以上
または容量8万kWh以上は対象

どちらも設置者自身が行う点は共通ですが、使用前自主検査は対象設備の規模に応じて試験項目が広く、さらに使用前安全管理審査を受ける必要があります。

出典:経済産業省|使用前自主検査及び使用前自己確認の方法の解釈(PDF)

義務対象外でも実施を検討すべき理由

義務対象外であっても、使用前の安全確認を自主的に実施するケースがあります。その背景にはリスクの大きさがあります。

電力会社の系統に接続された蓄電所で事故が発生した場合、周辺の系統に影響が波及し、社会的・金銭的に重大な事態につながる可能性があります。蓄電池は短時間で大量のエネルギーを放出できる設備であるため、火災や爆発のリスクも無視できません。

こうした背景から、義務対象外の蓄電所であっても、運用開始前に電気的な安全確認試験を実施するケースもあります。

蓄電所の使用前自己確認 対応事例

前章で述べたとおり、法定検査の対象外である蓄電所でも、設置者様のご判断で使用前自己確認と同等の試験を実施されるケースがあります。ここでは、弊社が実際に対応した事例をご紹介します。本事例の設備は、出力・容量ともに使用前自主検査の義務基準(出力1万kW以上 または 容量8万kWh以上)には該当しません。

設備概要

項目内容
試験区分使用前自己確認
設置場所長野県某所
蓄電池CATL 407kWh ×20基(合計 約8,140kWh)
PCS(パワーコンディショナ)TMEIC 1,200kW ×2台(合計 2,400kW)

実施した試験項目

本事例では、以下の項目について弊社にて試験を実施いたしました。

  • 負荷遮断試験
  • 負荷試験
  • 保護装置試験
  • 総合インターロック試験
  • 制御電源喪失試験
  • 騒音測定
  • 振動測定

上記に加え、直流・交流回路の絶縁抵抗測定、絶縁耐力試験、接地抵抗測定など、蓄電所の安全確認に必要な試験は、いずれも弊社にて一括して対応可能です。

試験項目のうち、すでに設置者様側で実施済みのものについては、お見積りから除外いたします。重複する試験を省くことで、必要な範囲に絞った、よりコストパフォーマンスに優れたサービスをご提供できます。

蓄電所の安全を確実に確認するためにも、義務の有無にかかわらず、ぜひ運転開始前の安全確認試験の実施をご検討ください。

蓄電所の使用前自己確認・使用前自主検査は「インサイドアウト」へ

蓄電所の使用前自己確認および使用前自主検査に関する試験は、全国対応のインサイドアウト株式会社にお任せください!

弊社では、電気主任技術者という電気の国家資格を持った技術者、および通信会社であることを活かした豊富な通信制御の知識をもった技術者が対応します。PCS(パワーコンディショナ)やBMS(バッテリーマネジメントシステム)など複雑な制御システムを含む蓄電所の試験も、確実で安心いただける品質で実施いたします。

「自社の設備構成でどんな試験が必要か分からない」「概算の費用感を知りたい」など、設置計画の段階からでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。

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